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犬との幸せと、その先にある現実


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先日、95歳のおじいさんから17歳の柴犬さんをお預かりしました。初めて来たときは、おむつかぶれがひどく、尿道の汚れもあり、体はつらい状態…。何度も病院へ通い、ケアを続けた結果、かぶれはほとんど治り、自分で少し歩けるまでに回復しました。その姿を見たとき、この仕事の意義を強く感じ、とても嬉しかったのです。

けれど、その裏には心に残る出来事もありました。

最初は「2週間だけ」というお預かりの予定でしたが、また同じ環境に戻すのは難しいと感じ、1ヵ月に延長することに。面会に来られた娘さんは、元気になっていく姿に安心されましたが、私は一つ反省をしました。

最初におむつを外してシャンプーしたとき、毛の下から広範囲のただれた皮膚が現れたのです。どんなに痛く、気持ち悪かっただろうか…。その姿を、飼い主さまにきちんと見て知っていただくべきだったと思いました。

やがて契約の終わりが近づく頃、娘さんは「父にはもう世話は無理」と判断し、自分が引き取る決断をされました。けれど両親の介護もあり、仕事もあり、さらに1年後には引っ越しも控えている。「誰かもらってくれないか」と、迷いと不安を口にされました。

私は愕然としました。高齢者が里親になれないことが多いと聞きますが、私はずっと「犬と暮らすことで人生が豊かになり、セラピー効果も大きい」と思っていました。実際、このおじいさんも「犬がいたから長生きできたのでは」と娘さんがおっしゃっていたほどです。

でも実は、娘さんは80歳を過ぎた父が犬を飼うことに大反対だったそうです。それでもおじいさんは秘密で柴犬さんを迎え、結局最後は娘さんが背負う形になってしまいました。「俺が面倒みるから大丈夫だ」と言うおじいさんに、娘さんは怒りを感じていました。「また同じことの繰り返しになる」と。

このとき私は痛感しました。犬のケアをするだけでなく、飼い主さまに「現実を知ってもらうこと」「これからどう向き合うか」を伝えるのも私の役割なのだと。

「この子を助けたい」という気持ちだけで突き進んでいた自分を少し恥ずかしく感じました。けれど、この経験があったからこそ、冷静に、そして誠実に向き合う姿勢を学べたのだと思います。これからのお世話の生かしていきます・・・

 
 
 

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