黒柴小太郎さん(15歳)永眠
- ”Dog’s” 看板犬 茶々と寧々

- 5 日前
- 読了時間: 4分
老犬ホームDog'sでお預かりして約2か月。
前日まで、小太郎さんは車いすに乗ってドッグランを元気に歩いていました。
そして、その日もいつもと変わらず、朝の涼しい時間にドッグランへ出ました。
ところが、しばらくすると呼吸が少しずつ荒くなり、「ヒューヒュー」と苦しそうな息遣いに変わっていきました。朝ご飯も吐いてしまい、私は熱中症のような症状ではないかと思い、急いで動物病院へ向かいました。
獣医師からは「軽い熱中症かもしれません」と言われ、処置を受けると体温も下がり、少し落ち着いた様子になりました。
いつものルーティンの中で起きた出来事でしたし、その日は曇り空で、朝の涼しい時間帯でした。だからこそ、私も「まさか熱中症になるなんて…」という思いでいっぱいでした。
ただ、曇り空さったこともあり、外で過ごす時間が少し長かったのかもしれないと反省していました。
しかし、呼吸の苦しさは改善せず、不安な一夜を過ごしました。
翌朝、小太郎さんが黄色い胃液を吐いた跡があり、お水を飲ませても吐いてしまいました。再び動物病院へ向かうと、すぐに酸素室へ入り、そのまま入院することになりました。
そして翌日の午前2時過ぎ、院長先生に見守られながら、小太郎さんは静かに息を引き取りました。
原因を特定することは難しいようですが、先生のお話では、甲状腺機能低下症がきっかけとなり、食道拡張、細菌感染による敗血症、腸炎、胃炎など、さまざまな症状が一気に現れた可能性があるとのことでした。
私は、「これからのお世話に生かすために、私にできたことは何だったのでしょうか」と先生に尋ねました。
先生からは、
定期的な健康診断による持病の発見
混合ワクチンの接種
より徹底した熱中症対策
わずかな体調の変化でも、さまざまな可能性を疑うこと
など、大切なアドバイスをいただきました。
看取りまでをお預かりする老犬ホームでは、飼い主さまも私たちも、「いつ何が起きてもおかしくない」という覚悟を持っています。
それでも、小太郎さんのあまりにも急な容態の変化は、私に大きなショックとやるせなさを残しました。
思い出しては涙がこぼれ、「こんなことで落ち込んでいるようでは、老犬ホームを続ける資格がないのではないか」と、自分を責めるようなことも・・・
不思議なことに、そんな時はいつも母から電話がかかってきます。
まるでテレパシーのように、何かを感じているのでしょうか。
その日も特に用事があったわけではなく、老々介護中の母は、
「お父さんも今日は調子がいいよ。」「庭の草むしりをして、短歌を作って、今はお茶を飲んでいるの。」
そんな何気ない話のあと、
「史ちゃん、元気?」
と声を掛けられました。
私は電話口で声を殺して泣きました。
母は耳が遠いため(笑)私が泣いていることには気付かず、いつものように話を続けていました。(もしかしたら、気づいていたかもしれません・・・(^_^;)
だから私は、ただ相槌を打つだけでした。
最後に、
「お寿司でも食べにおいで。」
その一言で電話は終わり、不思議と少しだけ心が軽くなりました。
また、こういう時にいつも感じるのは、飼い主さまの温かさです。
飼い主さまは、私よりずっと寂しくお辛いと思うのですが、穏やかに、優しく声を掛けてくださいました。
「Dog'sに来てからは安定剤や眠剤を飲むこともなく、思い切り鳴いたり、歩いたり、車いすで外を歩いたり…。小太郎らしい時間を過ごすことができました。」
そうおっしゃってくださいました。
認知症になっても、犬らしく穏やかな毎日を送り、最期までその子らしく過ごせたことに感謝しています、と。
その言葉は、私にとって何よりの救いでした。
私は、老犬ホームの役目とは、命を延ばすことだけではなく、その子らしく穏やかな時間を過ごしてもらうことだと思っています。
だからこそ、この言葉をいただけたことを、本当にありがたく感じました。
お預かりしている老犬さんが虹の橋を渡るたびに、その子から、そして飼い主さまから、多くのことを学ばせていただいています。
その学びを、これから出会う老犬さんたちのお世話に生かしていくこと。
それが、小太郎さんが私に残してくれた大切な贈り物なのだと思います。


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