どのくらい時間がたっただろう・・・寧々がやっと茶々の首から離れた。
私は急いで寧々を柵の柱につなぎ、茶々の様子を見た。首から少し血が…足を引きずっていたけれどなんとか歩いて車までいき、すぐに獣医さんへ行った。
寧々は、暗い中、柵に一人つながれ、今まで聞いたこともない悲しそうなつらそうな鳴き声をあげていた。私は完全無視して車に乗った。
怪我は大したことがなかった。首と足の軽い怪我。あんなに激しい喧嘩だったのに・・・というか、寧々が茶々の首をおさえ、茶々は何もできなかった。茶々の完敗・・・のように見えた。でも、茶々は「キャイ~ン」とは一度も言わなかった。(これは降参を意味する鳴き声だという)「ギャイン、ギャイン」とずっと抵抗していたのだ。茶々は、寧々の下剋上を気持ち的には認めていなかった。頑張った茶々。誇り高き秋田犬!!
獣医さんは、「秋田犬クラスの大型犬が、本気を出せば殺し合いになりますよ。耳や目や足の一本くらいなくなります」と・・・こわっ。
家に着くと、茶々は、ご飯も食べず寝室へ直行。この日から、茶々は私のベッドに上がって寝るようになった。(今まではベットの脇)精神的なショックを受けた茶々。
今までかわいがってきた妹分の寧々に反抗され、負けた・・・。でも、自分が寧々より下だとは認めていない・・・でも、ショック・・・そんな気持ちでいるようだった。
この日は、茶々を優しくなでながら寝た・・・
寧々はというと、ご飯をしっかり食べ、こっそり寝室の様子を見にきては、茶々に唸られリビングに戻っていく、そんなことを何度か繰り返していた。
寧々にとって、あれはなんだったのか・・・
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